ピリオダイゼーションって何?“線形”と“非線形”の使い分けを徹底解説

結論:ピリオダイゼーションは“伸びを止めないための計画術”

筋トレをしていると、「伸び悩み」という壁にぶつかる瞬間が必ず訪れます。
そんな時、感覚や根性だけに頼るのではなく、計画的に強度や回数を変えていく方法が「ピリオダイゼーション(Periodization)」です。

特に「線形」と「非線形」という2つの代表的なやり方を知ることで、自分に合った進め方を見つけやすくなります。


ピリオダイゼーションとは?

ピリオダイゼーションとは、トレーニング強度(重さ)やボリューム(回数・セット数)を意図的に変化させていく方法論です。

目的は以下の2つ:

  • 適応の停滞を防ぎ、継続的に成長すること
  • 疲労を調整しながら、計画的にピークを作ること

これは筋トレに限らず、あらゆる競技分野でも採用されている基本戦略です。


線形ピリオダイゼーション(Linear Periodization)

特徴:

  • 週ごとに徐々に強度を上げ、回数を減らす
  • 初心者〜中級者に最適。迷いなく進められる。

例(4週間):

回数強度(%1RM)
Week110回70%
Week28回75%
Week36回80%
Week43〜5回85〜90%(ピーク)

▼ 線形にも“3タイプ”ある

進行パターンに応じて、線形ピリオダイゼーションは以下の3タイプに分類できます:

1. 重量漸進型(強度型)

  • 重量を上げて、回数を減らす
  • 出力強化やピーク作りに有効

2. ボリューム漸進型(反復型)

  • 重量は一定、回数・セット数を増やす
  • 筋肥大・フォーム強化に最適
  • 例:80%で8×3 → 8×4 → 8×5

3. ハイブリッド型

  • 重量もボリュームも同時に上げていく
  • 刺激は大きいが、疲労も溜まりやすい

非線形ピリオダイゼーション(Undulating Periodization)

特徴:

  • 日単位または週単位で回数・強度を変化させる
  • 常に刺激を変えることで適応の停滞を防ぐ

例(週3回構成):

曜日回数強度目的
月曜10回70%筋肥大・パンプ
水曜6回80%中重量調整
金曜3回90%出力・ピーク

使い分けのポイント

項目線形非線形
向いている人初〜中級者中級〜上級者
管理のしやすさ△(記録・判断力が必要
停滞対策
疲労管理しやすいこまめな調整が必要

実例で見てみよう:線形→非線形→再構築

たとえば:

  • 線形期(10/8/6のようなボリューム漸進)で出力やフォームのベースを作る
  • 成長や再現性が高まってきたら、週3構成で8RM→5RM→3RMの非線形波状刺激に切り替える
  • 数週継続後、ディロードや再スタートで新サイクルを構築する

このように「段階的に疲労と出力をマネジメントしながら切り替える」のがピリオダイゼーションの本質です。


どれくらいの期間で切り替えるべきか?

▼ 線形ピリオダイゼーションの期間

フェーズ期間の目安備考
1サイクル6〜8週間回数→強度への移行でピーク形成
切り替えタイミング出力停滞・再現性低下・疲労蓄積サイクル後に非線形 or ディロードへ移行

▼ 非線形の継続目安

  • 4〜6週間の中期運用が目安
  • 刺激に慣れてきたら強度を引き上げたり、RPEやRMで強度設定をリフレッシュ
  • 長期化する場合は途中に軽め週やディロードを挟むのがベター

実際の運用例:筆者の場合はこう使っている

私は基本的に6〜8週を1サイクルの目安として運用しています。
プログラム運用することが多いですが、疲労や線形、非線形プログラムによっては
疲労感や再現性の低下が見えた時点で、延長してからディロードしてそのあとやっていない方のプログラムに切り替えます。(線形プログラムなら非線形へ、非線形なら線形へ切り替え)
また必要に応じて再び線形に戻すことで、成長と回復のサイクルを繰り返しています。


まとめ:ピリオダイゼーションは“成長の波を設計する技術”

  • 成長は「負荷」と「回復」のバランスで決まる
  • 線形でベースを固め、非線形で刺激を変えて、定期的にリセットを挟む
  • 自分のコンディションに応じて期間を柔軟に調整することが鍵

トレーニングの成果は、計画性とタイミングで大きく変わります。
あなたのトレーニングも、今日から“波”を意識してみましょう。

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